2021年度のアーカイブ

ARCHIVES-2021

1人1日1作品制作

土屋公雄・田原唯之

毎日作品を一点ずつ制作する。
この課題は、自分あるいは自分自身の創造力を客観的にとらえ、表現の幅を拡張させるための実験である。

※本年度は、まず、森に行きます。そこで1日を過ごし、その体験を携えた状態で、大学内を見つめ直します。
そこから「森」をテーマにした1日1作品制作と、「大学」をテーマにした1日1作品制作とを、毎日交互に12日間行います。

森と大学にみる
ポリフォニーとマンダラ

土屋公雄・田原唯之

森に行きましょう。
そこに響き合う、幾つものの論理、幾つもの旋律に、耳を澄ませ目を凝らしてみましょう。

例えば、羽ばたいてきた鳥が枝に留まり、その枝を風が揺らし、差し込む陽光とその枝によって創られた陰には網目が貼り巡らされ、そのネットに引っかかっている雨の雫と虫を求めて蜘蛛が顔をだし、その蜘蛛は鳥の羽ばたきによって地上へと落ちるかもしれません。それら全体を一つの仮枠で捉えれば、異なるもの同志が離れたり繋がることで奏でられる、森としてのポリフォニーをみてとれるでしょう。また、それら個々の内側へと進めば、そこには更に複雑で多様なマンダラ的宇宙をみることもできます。

土を手にとれば、そこに土という存在はなく、無数の鉱物、有機物、気体、液体、生物などが同時に共存しているのです。

森から大学に戻ってきて、改めて、耳を澄ませ目を凝らしてみましょう。
そこに広がっているのは、まさに森に見出したポリフォニーであり、マンダラ的宇宙ともとれないでしょうか。

無数の主体がその内側に無限を抱えながら、それぞれが異なる表現、異なるトポロジー、異なる論理として実現され、それらは時に繋がり、時に離れながら響きあっているのです。