学部4年
硴崎 敬祐|KAKIZAKI Keisuke
Stream
-----H2730×W1820×D1820(mm)
N/A-----
地図を眺めていて街は道によって形作られているものだと感じた。そしてその道は人の流れによって作られている。 そんな中で人が利用するための道であるのに人が立ち入れない空間が存在している。「鉄道の線路」や「高速道路といった有料道路」である。 特に鉄道は首都圏の通勤、通学者の半数以上が利用している。これらの空間は地図上でも街中でも視界には大きく映っているはずなのに日常に溶け込みその存在感はとても希薄になっている。 それはつまり人が使用する時間だけ存在し、それ以外の時間は存在していないと言ってもいい空間ではないか。 自分は街中に存在するその空間が一種の別世界であるように感じたのでそれを表現する。
寺田 篤実
森園 真臣|MORIZONO Masaomi
interface
-----H2700×W9000×D9000(mm)
シリコンオイル、水、水中ポンプ、アクリルパイプ、LED-----
設置した壁の中には水槽が入っておりそこではオイルと水の界面がゆらゆらと動き、それ を光で照らし、投影することで波を 映し出す。人が通り過ぎ、交差する空間から感じる、境 界としての場所性は水槽の中の界面のように揺らぐイメージ。時間、空間、物質の間に鑑賞 者の視点を置くことで、一瞬の連続の中に私たちがいる現実を感じ取る。
石井 夏帆|ISHII Natsuho
space 7
-----H1600×W4500×D4200(mm)
木、石膏ボード、LED照明、家具、家電、他-----
これまで境界について考えてきた。 他者との境界。 公と私の境界。 建築を自分を取り巻く境界の一種として考えてみた。 人が成長し変化するように建築も柔軟に自由でいいのではないか。 そこで忘れられ、ないがしろに扱われている隙間空間に着目した。この場所は学校の隙間である。 発想の転換次第でそこはただの階段下にも、異空間にもなりうる。この作品で私なりの空間の可能性を提案する。 ラブホテル、日本におけるそれは、狭い生活空間の中で生きる我々にとって自分をさらけ出して楽しむことができる心のスキマなのではないだろうか。 隙間にスキマを展開させた。 また、身分も広さもいらずに相手と親密になれる場所という意味では文化的に茶室にも通ずるものがあるのではないだろうか。
小田 千尋
小林 真結子|KOBAYASHI Mayuko
東京を漂う
-----H2730×W2730×D3640(mm)
ベッド、カーテン、机、椅子、他-----
"東京"という私にとって、また他の多くの人に対しても普遍的な魅力を有する存在をテーマに、自己との関わりを模索している。 毎日代わり映えのしないような生活を送っているような気がするけれど、何気なく視界に入ってくる風景は脳内に蓄積され、刻一刻と変化する様子を毎日の移動によって上書きし、脳内の風景を塗り替えている気がした。 私たちの生活は毎日一つの物語を単調に紡ぐように生成される。部屋というとてもプライベートな持ち主の脳内のような空間と、窓という外の様子を中に伝える目のような存在を用いて、一日の物語を部屋に差し込む光に置き換えて表現した。 https://mayukokobayashi.tumblr.com
佐塚 はなこ
鮫島 慧|SAMESHIMA Kei
Remembrance
-----H2200×W4000×D6000(mm)
フェンス、土、廃棄された公園遊具-----
芝山 由佳|SHIBAYAMA Yuka
漣の、揺れ行く末
-----H5000×W3000×D4500(mm)
糸-----
自己を明確にしようとすればするほどに、必然的 に生み出される「他者」との境界について 私たちが受け継いできたもの、外界によって 与えられる影響、経験、記憶。様々な要素が永い時間をかけて織り重なってきたもの、それは零れ落ちる「個性」 この個性を草木染めによって染色した自然素材の糸によって表しました。草木染めは、様々な要素によっ て、色彩や明るさ、濃淡が繊細に変化するため、その植物と染め出すわたしとの個性が顕著に表れます。 すべての個性は、 人と人が影響を与え合っているように、互いに影響しながら、存在しています。私たち自身と、それを幾重にも取り囲む多層の世界、多様な価値観。そこに生まれるそれぞれとの間断なき相互作用。 この境界によって形作られる世界も個人によって異なり、流動的であり、曖昧なものです。この曖昧さと真摯に対峙すること。丁寧に絡まった糸を解いて明らか にすること、それを紡いでゆくこと。 生命の個性によって編まれた糸は、永い過去の時間です。多様な「個」 によって紡がれたその多様性は、観る者の視点によって表情を変えていきます。
竹田 有花|TAKEDA Yuka
異空間
-----H2400×W5000×D6000(mm)
垂木、蛍光塗料、壁紙シート、ブラックライト-----
平面から立体を創造する
津田愛子|TSUDA Aiko
成る
-----H2800×W3200×D4200(mm)
人工芝、低反発マット、アルミフィルム-----
建築空間は無機物によって構成されているが、その空間は人の存在力を受け取り息を吸い始め変容していく。しかし空間の変容の結果として、ある日突然美術作品として我々の前に結果が現れるものでしかない。「ホワイトキューブ」という何かになる前の空間・何もないという空間は、一度人が足を踏み入れることで呼応し変容し息をし始める。我々は成りつつあるということを身体的に感じるのだ。
成田 周平
大学院2年
上坂 直