2011/07/01
長澤 伸穂 | NAGASAWA Nobuho
アクティヴィズム:社会へ問いかけるアート
長澤伸穂は、アーティストとしてのアイデンティティを「ハイブリッド」としています。 彼女は彫刻家である一方、ジャーナリスト、詩人、建築家、そして都会に住むデザイナーでもあります。 プロジェクトを実行する際には、まずその状況や環境をひもとき、多様性の中からコンセプトを導き出して材料と方法論を見つけます。 素材そのものの中から文化的、地政学的、社会的、個人的なものを探り出し、個人の記憶や集合的な歴史、認知されていない神話や矛盾する問題など さまざまなところに隠されている秘密を人々が見つけられるように作品化して、自ずと個人が社会への扉を開いてしまうような作品を制作しています。 数多く手がけて来たパブリックアート作品が人々に広く受け入れられているのは、彼女の作品がその場所の持つ魅力や記憶を呼び起こして、見る人たちにポエティックな体験を与えてくれるからでしょう。 長澤は常に文化的、美的な価値と社会的な価値を共存させて、個人に場所との対話を引き起こす作用をもたらすような力を持つ作品制作を続けています。
東京出身、NY在住。 幼少期に5年間オランダで過ごした経験を持ち、日本の高校を卒業後、オランダ国立芸術アカデミー、ベルリン芸術大学、 カリフォルニア・ インスティテュート・オブ・ディ・アーツで、国際的な美術教育を受ける。 常滑 (愛知)での地元の住民を巻き込んだ彫刻プロジェクトを始め、世界各地でパブリック・アートやインスタレーションを手がける。 カリフォルニア大学サンタクルーズ校での教職を経て、2001年からニューヨーク州立大学ストーニーブルック校で教鞭をとる傍ら、精力的な制作活動を続け、アラブ首長国連邦やトルコ、バングラデシュ、エジプト、越後妻有などの国際展にも参加している。
2011/11/25
田中 陽明 | TANAKA Haruaki
形体デザインからコミュニティーデザイン、集合知のデザインへの実践
シェアードオフィス(co-lab)という形態をとり、空間とコミュニティーのデザインを行っています。場の運営を実践することから見えてくるコミュニティー円滑化のための空間のデザイン、そのコミュニティーから派生する集合知によるアウトプットのディレクション等、建築を学ぶことによって得られる総合的な能力を生かした仕事とは何かを講義します。またアートとデザインが両立する総合芸術大学において、その関係性を熟考することで有効にその環境を生かすことができると思います。私がアートのフィールドで問題提起し、建築やデザインのフィールドで問題解決するという手法で活動している例を提示し、その可能性を考えたいと思います。
1993年 武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業 1993〜96年 大林組東京本社設計本部 1999年 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了 1997年 flow結成 2005年 春蒔プロジェクト設立 現在、春蒔プロジェクト株式会社代表取締役
※ ゲストの略歴などは、開講当時のものとなります。