2012/05/25
児島 やよい | KOJIMA Yayoi
高橋コレクションにみる日本の現代アート:ネオテニー・ジャパンから、次のフェーズへ
2008年から2010年にかけて、日本屈指の現代美術コレクター、高橋龍太郎氏の個人コレクションから、90年代以降の日本の現代美術のある側面を切り取った展覧会「ネオテニージャパン」を企画。展覧会は全国7館の美術館を巡回。また、日比谷で2年間の限定スペースにおいて、コレクションを様々な角度から照射する企画展を実施。 パブリックではなく、個人のコレクションだからこそ見えてくるもの。高橋氏の視点を通したアートの切り取り方によって、日本の現代美術を異なる角度から感じ取るという、コレクション展の可能性を切り開いた。 そして昨今は、来年2013年に向けて「高橋コレクション展vol.2」の企画をスタート。「3.11」後の日本のアートはどこへ向かうのか、どう見るのか、自分自身への問いを重ね、対話を重ねていこうとしている。 本講義では、ネオテニー・ジャパン展と日比谷のスペースでの企画展について、その経緯や内容、展示について紹介することで、高橋コレクションの特色を浮き彫りにしていく。 更にその中から見える、日本のアートの方向性についての考えを「ネオテニー」から次のフェーズへの期待を込めたものとして提示する。
キュレーター / コーディネーター / ライター 東京在住。 慶應義塾大学文学部卒業。 1987年よりナンジョウアンドアソシエイツに勤務、国内外での展覧会のほか新宿アイランドのパブリックアートなどを担当。2000年よりフリーランスとなり、横浜トリエンナーレ2001事務局コーディネーターを務める。その後、メゾンエルメスでの「手のすき間 須田悦弘・中村哲也」(02年)「杉本博司 歴史の歴史」(03年)のキュレーションや、「草間彌生 クサマトリックス」(04年、森美術館)「ネオテニー・ジャパン―高橋コレクション」(08年、鹿児島県霧島アートの森、上野の森美術館ほか)等の展覧会企画を手がける。新聞や雑誌にアート関連の寄稿多数。追著に共著『わたしを変える"アートとファッション" —クリエイティブの課外授業』(2013年、PARCO出版)がある。
2012/06/02
三宅 理一 | MIYAKE Riichi
地下空間の景観と文化を考える
交通・土木・宗教・文化を縦断する領域として、「地下空間」をテーマに取り上げます。地下空間の歴史はヨーロッパの近代都市に始まり、その後、環境制御が容易で災害にも強い空間として我が国にも定着してきました。各国の地下活用事例や歴史遺産の視点から、新たな地下の景観と文化のあり方を探ります。
建築史家 1948年東京都生まれ。 東京大学工学部建築学科卒業、フランス政府給費留学生として渡仏、エコール・デ・ボザール卒業、その後、芝浦工業大学、慶応義塾大学で教授を歴任。現在は藤女子大学人間生活学部教授。 研究領域として建築史・地域計画・デザイン理論・建築デザインの美学を中心とした芸術理論が専門である。主に西洋の環境デザインが中心であるが、西洋から日本、そして中東と世界的な規模で、社会・環境・都市の中における芸術表現を研究している。
2012/06/15
大巻 伸嗣 | OOMAKI Shinji
存在の証明
現在「箱根彫刻の森」で個展を開催されている大巻伸嗣さんにおこしいただき、ご自身のこれまでの作品や制作動機について、作品スライドを交えながら紹介して頂きます。
現代美術作家 1971年岐阜県生まれ。 「トーキョーワンダーウォール2000」に『Opened Eyes Closed Eyes』で入選以来、ECHO(資生堂ギャラリー、東京画廊、岡本太郎美術館)、Liminal Air(東京ワンダーサイト、ギャラリーA4)など、展示空間を非日常的な世界に生まれ変わらせ、鑑賞者の身体的な感覚を呼び覚ます、ダイナミックなインスタレーション作品を次々と発表。日本だけにとどまらず、米、独、韓、中など世界中のギャラリー、美術館、公共施設、オフィスビルなどの空間を大胆に使い注目を集めている。 現在は東京芸術大学彫刻科准教授。
※ ゲストの略歴などは、開講当時のものとなります。