学部4年
井上 菜月|INOUE Natsuki
礒崎 裕生|ISOZAKI Yuuki
energy no.3
-----H3600×W3000×D10000(mm)
ベニヤ板、ボンド-----
エネルギーを空間に閉じ込めることは可能だろうか。 この問いから製作は始まっている。 この問いを研究テーマに据える切っ掛けとなったことは、 イサムノグチのエナジーヴォイドを見たことによる。 石で作られた作品はエネルギーを溜め込み今にも発散するかの ように躍動しており、作品の周りの空気が揺れているよう に感じた。 そのとき空間が安定して抱えることができるエネルギー量を超えた途端に、空間は生命を帯び動き出すのではないかと思った。
岡 修平|OKA Shuhei
Remodeling
生活という言葉から何を想像するだろう。 生活のイメージが集合し、形態が変化することで、イメージのパーソナリティが徐々に消却されていき、生活という概念だけが包み込まれる。 私たちが無意識にもつイメージを、意味と無意味、在と不在の間で問うこの行為を、私はRemodelingと名付けることにした。
吉澤 大起|YOSHIZAWA Taiki
識る
-----H10100×W9060×D9400(mm)
ポリエステル糸、木材-----
多様な視点をもつことで新たな解釈を得られると思った。 あそこからみるそれと、そこからみるあれが異なるように。 8号館の吹き抜けは各階各面に開口が設けられ360度に近い視点を擁する。 そこに糸を用いて境界が曖昧な空間を立ち上げた。 見る場所や角度により多くの表情を窺わせ、日差しやその影、空模様と重なり変容していく。 それらの要素を含めた多様な視点からのアプローチを促すことを目的とした。
宮谷 理子|MIYATANI Riko
女性ホルモン
-----H3000×W5000×D5000(mm)
映像インスタレーション-----
マヤ・デレンというアメリカの前衛映画作家による活動を参考にして、自分自身の表現したい複雑な感情を視覚的に持ってくるということで映像作品を制作した。 身体や感情がテーマだが、その中でも性の区別や死への憧れ、自己の葛藤など精神的な問題をさらけだした作品である。 身体の外面的な要素から始まり、身体の内面的な要素にたどり着いた。
山本 かほり|YAMAMOTO Kahori
のらり くらり
-----H3000×W5400×D3600(mm)
プラスチック段ボール-----
つかみどころがないさま。 とらえどころのないさま。 しまりなく、漠然としているさま。
大山 賢也|OHYAMA Kenya
691,545,600
-----H2700×W5000×D10000(mm)
発泡スチロール、鉄、木材-----
私たちが命を授かったその瞬間から常に、否応なしに影響を受け続けているものがある。 「時間」である。 老若男女、誰しもが意識無意識問わず、時間の上に生きている。 時間は経過するものであり、人が生まれた瞬間を始点として伸び続ける線というのが一般的なイメージだろう。 しかしながら、過去を思い出す時、未来を想像する時、更新され続ける現在を考えた時、果たしてそれは本当に線としての時間なのだろうか。 更新され続ける、「今、この瞬間」という点。古くなってしまった「今」は「過去」として記憶の瞬間となり、増え続ける。 時間とは、点の連続なのである。
田中 楓|TANAKA Kaede
私を置く、「私」を広げる。
-----H2600×W4000×D5300(mm)
木材、ダンボール-----
個人の領域がぶつかり合い、混ざって曖昧になったりしていくことが面白いと感じた。 個人の領域と個人の領域がぶつかる境界についてを作品にした。 そのモチーフに選んだ場所が、私が所属する団体アートサイト八郷の部室兼アトリエの「ゆずや」という一軒家である。 「ゆずや」そこに置ける「私」の領域の作り方、「みんな」の物に埋もれた部屋。 物も人も使い方も曖昧なこの「ゆずや」と向き合うために、わたしは「ゆずや」を「私の空間」をひたすら描いていく。 通りかかる人の目の前に出現する「ゆずや」という私的な場所。 寒そうに外を歩く人とガラス越しに目が合った。 時たまにそのまま「ゆずや」の中を覗きに入ってきたりする。これはどこなんですか?と会話が始まる。 そうしたら私は中に案内して、「ゆずや」のエピソードを話す。
鈴木 美緒|SUZUKI Mio
綻び紡ぎ、時を思う
-----H4600×W6000×D5000(mm)
布(ゴブラン織)-----
布が織られた時間。 わたしが布を解く時間。 新たにわたしが解かれた糸を空間に紡ぐ時間がある。 横糸を抜くと模様が溶け、布の時間がゼロに戻る。 そしてわたしが糸を空間に再構成し時間の視覚化を表す。 自分の手で解き紡ぐことで、布に内在する時間に関わり、わたし自身がその布の中に入っていくことを感じた。 それらを空間に立ち上げることは、わたしにとってそのものの時間を思うことであり、またそこにはわたし自身と布との関わり合いの時間が流れている。 時間と模様の再構成。 その時を思い、その時間に入り込んでもらえたら。
鈴木 万葉|SUZUKI Mayo
間-ムサビテクスチャ-
-----H2700×W5000×D(mm)
和紙(牛乳パック)-----
自らの目で見る 自らの手で触れる 場所との間に記憶が生まれる 自分の目の前にあるものが現実である
大学院2年
甲谷 彰基|KOUYA Akimoto
素材と空間の関係性
-----H2500×W3000×D3000(mm)
土、木の作業台-----
使用した土には、掘り出した時間、乾燥させる時間がある。 素材の持っているあらゆる時間を、工房内にある作業台との関係により、封印する。 土の表情、量感とそれによってつくられる空間が、より土そのものを感じさせるきっかけになるだろう。